身体は答えを知っている
国産アロマワークショップ体験談
いきなり不思議な話をしますが…僕にはひとつの仮説があります。
香りには
原初の記憶を呼び覚ます力
があるのではないか
という仮説です。
五感のなかで、嗅覚だけが思考を介さずにダイレクトに本能へ届きます。
本能をつかさどるのは、いちばん古い脳です。
そこへ直接情報を届けたときに立ち上がってくる記憶。
そのなかには、僕たちの内に「最初からあったもの」と出会うヒントが隠れているんじゃないか。
僕たちの遠い先祖は、日本の森とともに暮らしていました。
日本固有の植物の香りは、その記憶にいちばん近いはずです。
日本は他の森林国と比べてもダントツに植生が豊かで、その香りは縄文の時代から僕たちが慣れ親しんできたもの。
そういう理由で、日本の森のアロマは原初からあった記憶を開ける「鍵」かもしれない、というような気がしているんですよね。
「懐かしい記憶がよみがえる」
この言葉には、ひとりの人間の過去の記憶だけでなく数千年の時を超えて受け継がれてきた記憶が呼び覚まされるんじゃないか?という可能性も含まれています。
その鍵を、僕は「国産アロマワークショップ」で見つけました。
情報なしで香りを選ぶという体験
ワークショップの流れは、こんな感じでした。
まず、植物の名前も効能も何の情報も知らされないまま、香りだけを嗅ぐ。
次に、その香りから受けた印象を言葉にしてメモする。
そうして、いまの自分のフィーリングに合う香りを選んで調合する。
最後に自分だけのオリジナルスプレーが完成する。
僕が最終的に選んだのは、4つの香りでした。名前も情報もないので、頭では何も判断できません。たよりになるのは自分のフィーリングだけです。
以下はそのとき僕が書いた印象メモです。
●クロモジ
「分析不能。不思議。未知。奥に、ちょっと攻撃的な香りがある。でも、クセになる」
●高野槙
「自分のおばあちゃんではないけれど、どこかの古民家のおばあちゃんが出てくる。よもぎ。青臭い。だけど、古い昔の家のような。梅干し」
●あすなろ
「懐かしい。くさいけど、クセになる。これも古い匂い。誰かがずっと住んでいた家」
●国産ローズマリー
「甘さ、かんきつ、いろんな良いものが混ざっている。飛ぶやつ。なんだこれは。何かがあるのに、言葉にできない」
印象メモを並べてみて気づきます。
4つのうち3つまでが、古いもの、懐かしいもの、言葉にならないものでした。頭で「良い香り」と判断したものではなく、身体が勝手に手を伸ばしていたのは、そういう香りだったんです。
なかでもひとつ、不思議な選び方をした香りがありました。
感覚的には好きではない香りを選んだんですね。
正直、青臭くて好きじゃないと感じた。
なのにどうしても気になる。
手放せない。
イメージと連想がたくさん出てきました。
名前も情報もないし、さらに嗅覚は思考の部分を通らず、本能・感性の部分にダイレクトに届くので、頭では何も判断できていないハズ。
そこから考えた後づけ解釈ですが、これはつまり、心の奥が「これだ」といっていた、ということなのかなと。
それが「高野槙」という木のアロマだったんです。
高野槙という孤立した木
個人的に調べてみると、高野槙は、地球上に近縁種を持たない、まったく孤立した木なのだそうです。
現在は世界中で日本と韓国の済州(チェジュ)島にのみ自生する「1属1科1種」の貴重な固有種。恐竜の時代から姿を変えずに生き延びてきた「生きた化石」といわれている。
そして名前のとおり、和歌山の高野山に多く育つ木なんです。
ここからが、個人的には鳥肌が立った話なんですが…
弘法大師空海が、高野山で花の栽培を禁じ、花の代わりに、この高野槙の枝葉を仏に供えた――そういういい伝えがあるようです。
皇室の悠仁親王(ひさひとしんのう)のお印にも使われていて、はるか昔、百済の王の棺にも日本の高野槙が使われていました。
祈りと弔いの木。
空海につながっていた
実は、僕はちょっと前から、空海について勉強しなきゃいかんという思いが湧き上がってきていたんですね。
それで、主宰するジャーナリングコミュニティやYouTubeなどで、勉強したことをちょこちょこ紹介していました。
なんで空海なのかよくわからないんだけど、とにかく勉強しはじめたところでした。
で、その動きと今回のアロマワークショップの体験とつながった!と思ったんです。
一番心を動かされてイメージがたくさん湧いてきて、好きな匂いじゃないのになんだか手放し難いと感じたアロマ、それが、空海の山に育ち空海が手向けた木でした。
ただの偶然と片付けることもできますが、ちょっとただの偶然で片付けられないなという、それこそ攻殻機動隊の草薙素子の名セリフ「そうしろと囁くのよ。私のゴーストが」のような感じがしてw
で、その体験から、空海を「わかる」ことをテーマにすることにしようと思いました。ただ本やネットで知識を増やすのではなく、空海という存在を、身体で「わかる」になりたい。そう思いました。
まるで、頭で空海を追いかけようとしていた僕に、香りの方から「身体を動かせ」といわれたような感覚です。
身体は答えを知っている
これは、拙著『ぜんぶ無意識のせい。』でも書いている、意志よりも先に無意識が動き出している、ということなんじゃないかと思います。
かいつまんでお話すると…
意志よりも先に無意識が身体を動かしているという、超有名な「リベット実験」というものがあります。
信じられないかもしれませんが、「手を動かそう」と僕たちが「決める」よりも0.35秒前に、脳のほうはもう動き出しているということが実験によって明らかになっている。
意志が先にあって行動が起きるんじゃない。脳が勝手に動き出した後から「自分が決めた」という意志が後追いで生まれている、という話。
実は、順番が、逆だった。
で、国産アロマのワークショップはこれを逆手に取ったような設計になっているんです。
選ぶとき、名前も効能も何の情報もない。頭は、判断する材料をひとつも持っていない。つまり、考えることができない状況が生まれていたんです。
しかも香りは、何度もいいますが新しい脳(大脳新皮質)を介さず、古い脳(大脳辺縁系)にダイレクトに伝わる。
だからなおさら考える余地がない。
考えられないとどうなるか。
もう、自分の感性・本能・直感に任せるしかありません。
そして、まさにその「任せるしかない」状況が、よかった。
思考が黙らされたぶん、身体のほうが先に「これだ」と答えを出す。
「なぜ、これを選んだのか」という意味、僕でいう「空海につながっていた」という理屈は、ぜんぶその後から立ち上がってきました。
「そんなのさ、ただの偶然とか勘違いとかじゃないの?」
という声が聴こえてきそうですがw
ぶっちゃけ、これは勘違いでもいいと思っています。
本能と感性からくる答えにはめちゃくちゃ説得力があるから。主観的納得感がハンパない。だから、感動が起こり新しい行動が起こったりする。
頭が黙っている。
身体が先に答える。
意味は、後からついてくる。
知性の部分が大好きな言語的情報を奪うことで、意志よりも先に身体が答えを受け取ることができる。
国産アロマのワークショップは、それをまるごと体験させてくれました。
いつもの自分から降りる
そしてこの体験は、以前こちらの動画で解説した「ゴーストの囁き」を聴くことと、同じだと感じました。
心の奥から聴こえてくるあの声は、理屈の手前で「こっちだ」と囁いている。聴こえないのは、情報の洪水、妨害電波、ノイズのせいです。
だから、香りでも散歩でも筋トレでもサウナでもジャーナリングでも森や山や大自然の中に身を浸すでも。
考える材料がないとき、握っていたものを手放せたとき、頭より先に身体や心のほうが答えを発していることに気づきやすくなる。
そしてじつはこれ、僕が他で話したことともそっくりだったんです。
YouTubeでカルロス・カスタネダ著『イクストランへの旅』を紹介したとき。
「いつもの自分から、いったん下りる」という話をしました。
握りしめてきた履歴や、こう振る舞うはずだという段取り。
その「いつもの自分」から下りる。
そしてこれは次の動画でご紹介する話ですが、脳は「予測する機械」で「世界はこうなるはずだ」と、たえず先回りしている。悟りとは、その「予測する自分から降りる」ことなんだという話。
下りる。
降りる。
呼び名は違っても、指しているのはひとつの動作です。いつも判断している自分から、降りる。すると空白ができて、その空白に奥のほうが答えを返してくる。
アロマのワークショップが教えてくれたのは、この「降りる」は外から起こせるということでした。
自分で気合いを入れて降りたんじゃない。
名前や効能という、知性が大好きな言語的情報を奪われて、判断する材料を取り上げられて、いやおうなく降ろされた。
知性を通らない香りが、追い打ちをかけるように本能へダイレクトに届く。
だから、降りられた。
まとめ:意志は動いた後に見つかる
まあでも、声を聴くだけ、香りを感じるだけで止まっていたら、それは鏡を見て「わかった」と思ういつもの場所です。
頭のなかだけで完結して、気持ちいいかもしれないけれど何も変わらない。
声のとおりに、香りに引かれたあの感覚のとおりに、実際に身体を動かしたとき。そこではじめて意志が生まれる。
意志とは、行動したその結果のことなんです。
「よし、やるぞ」と決意するから動けるんじゃない。
動いてしまった後で、意志は見つかる。
僕は、香りによっていつもの自分から降ろされて、空海を「わかる」という方に向きました。
そこにはまだ理屈も意味もありません。
意味は、動いたあとでわかります。
国産アロマワークショップは、身体がすでに知っていることを教えてくれます。
いつもならノイズで聴こえない、聴こえてもすぐに自我の声でかき消されてしまうその声を届けてくれた。
これマジですばらしいワークショップなので、多くの人にぜひ体験してほしい。
興味のある方はインスタフォローしておくと、次回開催情報が分かると思います↓
国産アロマワークショップ主宰
アロマステーション凛々香(りりか)|小林摩希さん
インスタグラム:https://www.instagram.com/ririkaroma/
僕も情報キャッチしたらご報告します。
それでは、また!






